奥さん!新曲ですよ!
最初に書いておきますが、私はこの曲が大好きです。
吉井さんソロの曲の中で、鬱々としていない曲群の中であればベスト3に入るぐらい好きです。
曲調ももちろんですが、
今に至るまでの「吉井和哉」という男の人生をそのまま叩きつけたようなロックを感じる歌詞が特に。
そんなベタ惚れな歌詞を紹介しつつ、解釈を交えながら感想を全力で書いていこうと思います。
吉井和哉「○か×」の歌詞
○か×
作詞:Kazuya Yoshii
作曲:Kazuya Yoshii
歌:吉井和哉失ったあの日から
運命の内側に小さな棘が刺さっている
そして今日も生きている自分試しの恋に僕は明け暮れた
強まるゲリラ豪雨の中で走ってた
これじゃない明日になってわかるような答えなんてどうでもいいさ
愛ならそれが愛なら
くれよくれよ
当たるまで
○か×かで決めてばっかりやりたいことをやり過ぎて
△だらけの人生
あれは本気これも本気
飛び込む先は泥でした長いところを伸ばしなよと言うけれど
短いところを長くすればいいのになと
思わない?飼い慣らされたケモノならどこでだってやってけるさ
いいならそれでいいなら
食えよ食えよ
餌をくれ
牙がポッキリ誰かの真似で増えただけの○なんか
いつかは巨大な×の中でひしめいた
ビー玉誰もがそれを正しいって言えるような答えはないさ
勇気が
それがないなら
消えろ消えろ
あの世まであなたがそれを美しいって言えるならそれでいいさ
さいならそれじゃさいなら
夢よ夢よ
果てるまで
○か×かで決めてばっかり
捨てちまったら
全部すっきり
先ほど書いたように、「吉井和哉」という男の人生をそのまま叩きつけたような歌詞と
そう思える言葉選びに耳が幸せです。
吉井和哉「○か×」の感想を歌詞解釈もちょっぴり交えつつ全力で書く
人の解釈をみて新しい魅力に気が付けるかもしれないという思いを胸に、○か×についても独自の解釈と感想を書かせていただきます。
タイアップ「スッキリ」の独占インタビューの内容
運よくリアルタイムで「スッキリ」の独占インタビューを見られたので、そこで語っていた内容に先に触れようと思います。
「○か×」は吉井さん自身の半生から作曲をされたそうです。
人生の中で「○か×」の選択を迫られる違和感を表現
日本テレビ「スッキリ」クイズッス(12月1日放送分)より
もしかしてもしやもしかすると
スッキリエンディングテーマのお話があるかもっていうのを小耳に挟んだものですから
だったら最後に入れてみちゃったりなんかしてそしたらうまい具合に物語もスパッとしまったんで
よかったなぁと思ってる日本テレビ「スッキリ」クイズッス(12月1日放送分)より
そして楽曲制作についても語られていました。
歌詞を書くときにちょっと加藤さんをイメージして書いたところがあるんですよ
孤高なんですよね、僕の中で加藤さん
1人で戦っているような、そんなイメージ
カッコいい男像みたいなものをそんな側面もあるのでよろしくお願いします。
日本テレビ「スッキリ」クイズッス(12月1日放送分)より
このあたりの情報も踏まえて感想を書いていきたいと思います。
…吉井さんのことだから、すっきりは本当にタイアップ用に入れたような気がします。
吉井和哉「○か×」の感想
前曲の「みらいのうた」と曲調は異なりますが、今の吉井さんだから作ったんだというのを感じられる曲です。
単純に激しくするのではなく、かといって意味もなく重くするのでもない。
50年以上歩んできた「吉井和哉」という人生の持つ厚み。
それを楽曲に落とし込んだらこうなるんだろうなという曲だと思っています。
この後で個人的な解釈は少し書こうと思いますが、歩んできた人生の中で幾度もあった選択、それについて人間臭く書かれています。
そして当たり前だけど曲もカッコいい。
かっこよすぎない…?
激しいんだけど悲しさを含んでいるようなメロディー。
音楽的な技術とかはなんもわかりませんが、好き。
そもそも曲名からして、普通の人とかロッカーなら「白か黒」とかしそうなところを、「○か×」ですからね。
「○か×」とか付けたらかわいい感じの曲になりそうなのにカッコいいし。
「ゲリラ豪雨」とか「さいなら」とかの単語を選び、違和感なく曲に落とし込めるとかやばいよね…!
吉井和哉「○か×」の歌詞解釈
毎度書いておりますが、完全に独自の解釈です。
それは違う!って思っても生暖かく見守ってください。
「○か×」
曲名にも歌詞にもある「○か×」は、二つの意味を持たせていると思います。
人生において数えきれないほど存在する、「○か×」を歌った曲だと私は解釈しました。
歌詞解釈
失ったあの日から
そんな唐突な歌詞から始まる「○か×」。
失ったのが何なのかというのが、ひとつ大きなテーマのように思います。
色々候補はありますが、私個人の解釈としては
全力で追っていた夢
そう思っています。
他の物すべてを犠牲にしてでも追っていた夢を失ったとき、人はどうなるのか。
抜け殻のようになる、もしくは人によっては誤った選択に走る人も出てくるというのは多くの人が想像できるでしょう。
しかし星の数ほど存在する夢破れた人のほとんどは、夢を失ってしばらくは落ち込んだとしてもその後は普通に生きていくでしょう。
この曲はそんな人の苦悩を「○か×」という視点を主として描いているように思います。
運命の内側に小さな棘が刺さっている
そして今日も生きている
この部分は、叶わなくなってしまった夢がずっと心に残ってしまっていること、それでもそれを失っていながらも生きながらえているを示しているのではないでしょうか。
自分試しの恋
実際の恋愛とみてもいいのでしょうけれど、私には「失った夢の代わりになるものを手あたり次第試している姿」が浮かびます。
だから、
これじゃない
正しい生き方、正しい行い。
間違った生き方、間違った行い。
そんな尺度で判断するのではなく、とにかくやらせて欲しい。
その答えがいつ出るのかわからないけれど。
明日になってわかるような答えなんてどうでもいいさ
愛ならそれが愛なら
くれよくれよ
当たるまで
○か×かで決めてばっかり
今まで夢を追っていたことも、今その代替を探しているのも結局は「やりたいこと」。
それしかやっていないうえ結果も出せていないから、人から見ればすべて評価としては△。
その評価だって×をつけて事を荒立てないための濁した結果の△。
それでも自分としては手を出したものはすべて真剣に取り組んだ。
結果としては選んだ先に未来はなかったけど。
やりたいことをやり過ぎて
△だらけの人生
あれは本気これも本気
飛び込む先は泥でした
人から見れば間違えた選択ばかりしている自分に、みんなが掛ける声。
今の社会では尖った人物よりも欠点のない人が安定を得やすいから。
獣でいることを辞め、ペットのように与えられるのを待つ生き方がいいのならそれを選べばいい。
そうやって他人からの評価だけを気にして得られた○など、本当の○でなどない。
×の集団が傷を舐めあうように互いに○をつけているだけなのだから。
それがここから先の歌詞で書かれているように思います。
誰もがそれを正しいって言えるような答えはないさ
勇気が
それがないなら
消えろ消えろ
あの世まであなたがそれを美しいって言えるならそれでいいさ
さいならそれじゃさいなら
夢よ夢よ
果てるまで
○か×かで決めてばっかり
捨てちまったら
全部すっきり
自分が今選んでいる道が正しいのか間違っているのか。
人から見た自分はどう映っているのか。
気にならないわけがない。
事を荒立てないための△だって、その時×をつけてくれていれば違う道を選んだかもしれない。
そりゃあ、絶対に正しいなんていえることなんて人生にはそうそうないのかもしれない。
だけど不安になる。
○か×かじゃなく、答えを濁す△の道を選びたくもなる。
そんな不安に押しつぶされないように、迎合するばかりの他人に言い放つように見せかけて自分に発破をかける。
勇気が
それがないなら
消えろ消えろ
あの世まで
自分で「これでいい、これがいい」そう思えるのならいいじゃないか。
迷う自分、逃げたくなる自分、迎合する人たちとは決別しよう。
正しいか間違っているか、良いか悪いかで判断するのを辞めるんだ。
解釈の総括
吉井さんの書く歌に出てくる人間だから、きっと迷うし強がっているのだろうと考えた結果こんな解釈になりました。
解釈していくほどに「人が生きるというのは矛盾を抱えているんだ」というの認識して、共感を覚えてしまう歌詞です。
読み解いていくうちに「空の青と本当の気持ち」を思い出しました。
白と黒の羽
善と悪の羽
>>amazon「空の青と本当の気持ち」
当時から吉井さん自身考え方は変わっているでしょうが、根幹にある価値観というのは変わっていないんだなと、なんだかうれしくなってしまいました。
吉井和哉「○か×」のダウンロード先
amazon>>吉井和哉「○か×」
吉井和哉ソロの曲やイエモンの曲の感想、考察もしています!
メジャー、マイナー関係なくイエモン関連の曲で
そう思っていただけるように更新していますので、ぜひご覧ください!
- JAM
- 天国旅行
- 天道虫とメロメ
- Balloon Balloon
こういった曲についても記事を書いています!
コメントをください。
解釈ありがとうございます。私もこの曲が自分の気持ちにピッタリ当てはまって、めっちゃ聞いています。曲も歌詞もかっこいい。
短所、長所、短いものが長くなった方が目立つよねーと納得していました。
上手くやっている人のマネをしても、自分の本心でないと気持ち悪いし、本物じゃないガラス玉のビー玉やなぁと思いました。
あれも本気これも本気(あれもモンキーこれもモンキー)もしかして言葉遊び?って勝手に思ったり。
いつも心に沁みる考えさせてもらう歌詞、吉井さんの魂を感じます。
解釈に共感しました。
シズカさん、コメントありがとうございます。
この曲、かっこいいですよね…!
「人のマネをしなさい」で個性もなく、周りに合わせるしかできなくなるような生き方が正しいと言えるのか。
そんな誰もが正しいと言えるような回答がない憤りを「歌」に昇華できる吉井さんがやはり好きです。
あれもモンキーこれもモンキーは盲点でした…!
もうちょっと聴き込んできます!